American Lesion

2004年4月20日 音楽
私が現在首まで漬かっているバンドBad Religion(以下BR)。そのヴォーカル:Greg Graffinの97年発表のソロアルバム。
元々私が聴き始めた頃、BRにはBrett(社長)がいなくて実質Gregのバンドだった。前作発売から来日に至るまで、私はずっとGregに恋していた(笑)。今ではすっかり社長派なのだけれど。
当時、せめてライヴを見る前に聴いていたら、もうちょっと違う感想を持ったかもしれない

作詞作曲、演奏、ミックス、プロデュースを全てGregひとりでやっている。彼が元来アメリカン・トラデショナルな音楽が好きだというのはBRに書いた曲のメロディラインで容易に知れるが、それをアレンジも含めて思う存分趣味嗜好に走ったアルバム。
一曲目などは、「Huey LewisがJackson Browneの書いた曲を歌っている」という感じ。どちらも私のルーツではあるが、何もこれをよりによってGreg Graffinがやらなくても・・・とファンの私でさえ思う。他にはちょっと小洒落た一時のスタイル・カウンシルのようなブラス入りの曲やら、長渕を彷彿とさせるようなアコギのリフやら。決して出来は悪くない。けれど、どこにターゲットを設定しているのか首を傾げざるをえない。セールスは余り芳しくなかったろうと思われる

当時彼は離婚したばかりで、なるほど歌詞を見れば情けないくらいに未練がましく、悲痛だ。けれどももしかしたら、どこかでそんな自分に酔っているような気もする。ジャケットはブロークン・ハートとドルマークで描かれた星条旗。しっかりアイロニィも忘れていない。
6曲目のCEASEはBRの曲で、それをテンポを落としてピアノの弾き語りで歌っているのを聴いてそう思った。「全ては終わりを迎えなければならない」BRでは社会に対する警告に聞こえた歌詞が、ここでは妻に去られた男の嘆きになる。でいて、ナルシズムの匂いがする。彼の楽器演奏の腕前のほどはよく知らないが、これをこうやって歌いたいがために、一生懸命ピアノを練習している様子を思い浮かべると、可愛くて仕方ない。
私はBRが大好きだ。その理由のひとつは、これほどBrettに入れ上げている今でも、Gregのヴォーカルにあると断言出来る。この声の心地よさと哀愁を帯びたメロディラインの調和こそが、全ての始まりだった。
このAmerican Lesionというアルバムには、その両方がある。だから嫌いなはずがない。が、嫌いではないけれど何かが足りないので、もうひとつ入り込めなかった。
その「何か」が何であるか、答えは明白であるが、今日は言わない(笑)

アルバムを買うと、まずサンクス・クレジットを見る。このアルバムは前妻と別れたことによって出来たものであるが、当然彼女の名はクレジットになく、彼女が連れて行ったであろうふたりの子供に捧げられている。そして次の一文が私の琴線に触れた。

Thank god for Bad Religion,the best band in the world.
世界一のバンド・バッドレリジョンを与えてくれた神に感謝します

マジ感動しちゃったよ。今度アタシも↑んとこにコレ使おうかな。にしてもGregってば・・・無神論者のくせに(笑)

American Lesion CD Atlantic 1997/11/04 ¥1,476
Opinion
Fate’s Cruel Hand
Predicament
Fault Line
When I Fail
Cease
Maybe She Will
Elements
In the Mirror
Back to Earth

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