プロレスでは何度かしましたが、初めて四季を見に京都まで遠征しました。
とにかく8月のあの素晴らしいジーザスとユダにもう一度逢いたくて京都まで行ったわけですが、そこにあったのは更に進化したJCSでした。「ジャポのスンラさんも見ておかなきゃね♪」なんて軽い気持ちで行って、とんでもないものを見てしまった。どこまで行くんだ、どこまでやるんだ、恐ろしささえ覚えました

*今回新しい発見はまず、村さんの歌の素晴らしさ。
前回のジャポでもピラトで見ているんですが、こんなに感情豊かな役だったっけ?と。彼の歌はその身体全てから発せられているようでした。白塗りせいもあって表情は固定され、口だって大きく開いているわけではないのに、圧倒的な声量で苛立ちと怖れが伝わって来る。
ピラトという役人がその決断を下すまでの心境を、言葉でも表情でもなく、その声だけで伝えきる…圧巻でした

*東京では普通に見ていた飯田さん、実はとてもお若いのだと知り驚いたのですが、あのカヤパは絶対20代の声じゃない!(笑)
なんて奥行きのある豊かな声。ずっとこの役を演じて自信がついたから、なんでしょうねぇ。私前回のジャポでは飯田さんのペテロを見ている…はずなんですが、全然覚えてません。カヤパは本当にハマり役。お若いだけに「今度はあの役で…」と今後が楽しみです

*下村さんのヘロデが大好きなのでキャスト変更がちょっと残念だったのですが、演出・衣装が若干変わった京都版、大塚さんにはピッタリだと思います。下村さんの変態的な(褒めてます)魅力とは違って、牛若丸のような髪型のせいもあって、若き駄々っ子王という風情。色気よりも好奇心、みたいな。歌舞伎風の見栄や扇を使った踊りなど、振り付けも面白かった!

*私はジャポ・エルサ合わせて見るのは4度目ですが、ひとつの役ひとりだけっていうのは、(当然ですけど)柳瀬さんのジーザスと、神崎さんのシモンだけ。本城さんのシモンが凄く熱いらしくて評判いいみたいなんですが、神崎さんも4回の中で一番熱くて声の伸びもよかったです。役が馴染んで来たのでしょうね

…という具合に、今回は男声ヴォーカル好きの私には嬉しいことに、みなさん歌が絶好調。もともとこの演目が好きなのは「登場人物が殆ど男」というアレもあり(笑)、更に嬉しいことに東京から引き続き演っている方が多いので歌もますます円熟して、どの歌も素晴らしい!
あぁ、もう。CD出してくれーーー!!

*女性のこともちょっと書いておきましょうか。
初めて西さんのマリアを見ましたが、なんとも儚げで声の感じが泣いているようで、これはこれで新しいマリアだな、と。比較するなら、高木マリアは武闘派(笑)、ユダに睨まれると睨み返す。花代マリアは健気でいじらしい…あの時のユダは芝さんだったから余計そう感じたのかもしれないけれど。
西さんのマリア、金森ユダに睨まれると泣いちゃいそうです。で、そこをジーザスが庇う→ユダ再嫉妬(以下エンドレス)。マリアの性格が変わるだけで、その場面も違って見えて来るところも、このお芝居の面白いところ

*女性と言えば、8月にイヴェントに参加したおかげで、アンサンブルの方も何人か見分けがつくようになりました。
一番目立っていたのはやはり麗子さん。動きが大きく華やかで、白塗りでもはっきり分かる豊かな表情。憧れのオネーさまです!
金平さんも大きく元気のいい踊りで、すぐ見つけることが出来ました。こうやってひとりひとりわかっていくと面白いものですね。アンサンブルの新たな鑑賞方法を発見(笑)


えー。で、ですね。そろそろ肝心の…行きますけども。
金森ユダ、入ってました。もしくは憑かれている、とも。歌も演技もいろいろと成長・進化が見えたのですが、それ以上にカーテンコールでの姿に胸がいっぱいになってしまいました。その顔に笑みはなく立っているのもやっとのよう、他の出演者とまるで違っていました。それはもちろん、疲れていたからなのでしょうが、演じたユダがまだ身体から抜けず、こちらの世界に戻って来られないように私には見えました。隣にいる柳瀬さんがニコニコでガッツポーズしたりするもんだから、余計に。いえ、それはそれでいいんです。彼のそういうところが、あのジーザスを作り上げる要因になっているのですから。それと同じように、金森さんがあのユダを演じた後は、カテコのあの姿になるのだ、と。そこまでやるのか!と、驚きと恐ろしささえ感じました。だから本当ならいっぱい拍手して何度も出て来て欲しいんですが、出て来る度に「かわいそう〜、無理しないで〜」と心で思いながら、拍手は止めないひとりSMな私(笑)

*カテコといえば、ですね。
主役3人が前に出て、手を繋ぎますよね。まず柳瀬さんが左手を伸ばして西さんの右手を下から受けるわけです、男性だからね。で、その後で柳瀬さんが伸ばした右手は、金森さんが左手で受けるんですよ!その姿がねー、非常に不安定というか違和感がありまして。いえ、普通は順序で右左でOKなんでしょうけど、ジーザスにはまずマリアで、ユダはその扱いかい?!と。そんでなくても疲労困憊精魂尽き果ててるのに、手取らせるか?むしろ取ってやれよ、と。ユダ派のこちらとしては憤慨いたしました。
またよくしたもんで(?)、マリアをエスコートしてハケていくジーザスの歩き姿が颯爽としてるんだ、コレが。それが新たな涙を誘ったのでございます、よよよ

*一部ファンの間では「痴話喧嘩」と呼ばれる最後の晩餐→ゲッセマネ→逮捕のシーン、あんなに切なく苦しい別れの場面であったのかと、改めて涙とヨダレが滝のように流れ落ちましたよ。
「行け、去れ」と言いながら愛おしさ爆裂でユダの頭を抱き締めるジーザス反則(笑)。ユダはですねぇ、もう、あの辺りだと可哀相で居たたまれなくて正視出来ません…といいつつ見てますが、タイーホのチュウとかですね、あそこで思わず生唾飲み込んで自己嫌悪に陥ったりするんですが、毎回(照)。
えーと、その、単にほっぺにするご挨拶のチュウなのに、見ているこちらの身まで引き裂かれそうになります。どこかで「芝さんは頬の耳に近い方に、金森さんはもっと口角寄りにする」と書いてらした方がいてですね、「この人はワタシか?」と思ったんですけど(笑)、別な表現をするなら、芝ユダは置きに行くキスで、金森ユダのは伝えるキスである…って何語ってんでしょ、えへへ。いや、なんかね、役作りが違う=キスも違うわけで。そこが健著に見えるシーンだから好きなんです!(と理論武装してみる)

8月のエルサレム版からハマり込んだ私ですが、もう一度見たことでジャポネスクならではのいろんな発見もあって、思いきって遠征してよかったなー、と。でも、だったら逆にもう一度エルサ見たらどうなるんだろ?という楽しみもあり。金森さん、カテコでどうなっちゃうの?という楽しみだったりして(鬼)。
つくづく思うのは、(稽古期間は抜きにして)4ヶ月前に初めて演じた役を独自の解釈で完全に自分のものにしただけでも賞賛に価するのに、ふたつのヴァージョンを通してなお進化を続け、毎日毎日舞台で己を燃焼し尽くせる、金森勝という役者のスゴさ。そして、相手役が変わっても確固としたジーザスを揺るぎ無く演じる柳瀬さんも素晴らしい。
今年この演目に出会えたことは、私にとって大きな出来事でした。この時期に、このキャストで巡り合えて、本当によかった。次に見られるのはいつかわからないけれど、その日がまた来ますように!
それだけを生き甲斐に、当分生きて行けそうです
http://www.shiki.gr.jp/applause/jesus/

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